情報更新日

2018年2月5日

シーズ情報

研究課題名

論理診断技術を応用したLSI設計変更コストの削減

キーワード

LSI設計、低消費電力回路設計、論理診断、LSI CAD、LSI設計変更対応手法、インクリメンタル合成

分野

電気電子、情報通信

概要

 LSI設計において、設計誤りの混入、仕様変更やタイミング制約違反などの理由により、ネットリストの設計変更が必要となる際に、独自に開発した論理診断手法を適用することで、変更に要するコストを削減します。具体的には、レイアウト設計やマスク作成終了後の設計変更に関して、配線変更のみで修正を実現することで、変更が必要となるマスク数を減らします。最新のLSI製造プロセスでは、数十枚必要となるマスクのコスト高騰が問題となっていますが、設計変更の際にすべて再作成することを避け、2~4枚のマスク変更で対応可能とすることで、コストを大きく削減することができます。

何が新しいか?

 論理回路が仕様と一致しないことは従来の論理検証によって確認可能でしたが、その原因を特定し、さらに修正する役割については、人手に頼っていました。我々は、真理値表(LUT:Look-Up Table)を素子として表現したLUT回路モデル上で,4個までの機能誤りを自動的に修正する実用的な手法を初めて考案しました(特開2002-149731「論理回路の修正方法」)。また、その後の拡張により、10個程度の機能誤りに対応可能としたほか、信号線欠落誤りの修正や、付加回路を用いることで修正能力を飛躍的に高める手法を考案しています。

他の研究に対する優位性は何か?

 図に示すように、機能仕様に基づいて論理回路の設計誤りを自動的に修正する論理診断手法を利用して、仕様変更やタイミング制約違反が発生した際に、既存のレイアウト設計結果を極力利用した部分修正を行うことによって、変更が必要なマスク数を最小限に抑えます。

どのような課題の解決に役立つか?

LSI設計、LSI設計資産の再利用、故障診断に役立てることができます。

関連する特許

・半導体記憶装置(特願2007-281716)
・半導体回路(特願2006-192685)
・半導体装置(特願2005-360347)
・論理回路の修正方法(特開2002-149731)

関連する論文

・沼 昌宏, 井上 宏, 皆見利行, 黒木修隆, 山本啓輔, “真理値シミュレーションに基づくLUT論理診断手法”, 情報処理学会論文誌, vol. 43, no. 5, pp. 1252-1259, 2002年5月.【ダウンロード】
・M. Iijima, K. Seto, M. Numa, A. Tada, and T. Ipposhi, “Look-Ahead Dynamic Threshold Voltage Control Scheme for Improving Write Margin of SOI-7T-SRAM,” IEICE Trans. on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences, vol. E90-A, no. 12, pp. 2691-2694, Dec. 2007.【ダウンロード】
・K. Shioki, N. Okada, K. Watanabe, T. Hirose, N. Kuroki, and M. Numa, "An error diagnosis technique based on clustering of elements," IEICE Trans. on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences, vol. E93-A, no. 12, pp. 2490-2496, Dec. 2010.【ダウンロード】
・Y. Shizuku, T. Hirose, N. Kuroki, M. Numa, M. Okada, "An energy-efficient 24T flip-flop consisting of standard CMOS gates for ultra-low power digital VLSIs," IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences, vol. E98-A, no. 12, pp. 2600-2606, Dec. 2015.【ダウンロード】
・A. Takezaki, T.Sawai, T. Hirose, N. Kuroki, and M. Numa, "An error diagnosis technique based on averaged EPI values to extract error locations sets," The 20th Workshop on Synthesis and System Integration of Mixed Information Technologies (SASIMI 2016), pp. 317-322, Oct. 2016.

参考図表

研究者情報

氏名

沼 昌宏(ヌマ マサヒロ)

所属

工学研究科、電気電子工学専攻

専門分野

LSI設計、低消費電力回路設計、論理診断、インクリメンタル合成

企業との協業に何を期待するか?

興味ある共同研究分野は、以下の通りです。
LSI設計変更時のコスト削減、低消費電力回路設計等

問合せ先

神戸大学 学術・産業イノベーション創造本部
oacis-sangaku[at]edu.kobe-u.ac.jp
([at]を@に変更してお送りください。)