情報更新日

2018年2月9日

シーズ情報

研究課題名

スラリー内部構造のレオロジー解析

キーワード

粘度、粘弾性、粒子分散液、ペースト、スラリー、ナノ粒子、凝集、分散、電池

分野

材料/化学、エネルギー

概要

 スラリーやペーストなどとも呼ばれる粒子分散液は電池電極や積層コンデンサー作製工程など多くの化学工業において取り扱われている。液相を除去して得られる粒子集積構造が目的物であるが,その内部構造は粒子分散液の時点から始まっていると言える。本シーズでは,粒子分散液の内部構造を理解する手法として,粘度や粘弾性のレオロジー測定を利用している。様々な測定方法や解析方法,そして様々な分散系における多くの知見を基にして,分散液内に形成されている内部構造の理解そして制御方法について研究している。

何が新しいか?

 粘度や粘弾性は材料物性値と考えられることが多いが,この情報から粒子分散液内部の粒子が形成する構造やその動的な特性(せん断を印加した時の応答性)を理解し,制御するための指針が得られる。

他の研究に対する優位性は何か?

 レオロジー”測定”では物性値しか得られず,粒子径分布では希釈が必要であり濃厚系には適応できず,直接観察では局所的な情報しか得られないが,レオロジー”解析”では粒子濃度によらずマルチスケールな内部構造に関する情報を取得が可能。

どのような課題の解決に役立つか?

 高濃度に粒子を含む材料に対して,粒子種・粒子形状・粒子濃度・添加剤を変化させたことによる内部構造の変化を理解できる。撹拌・送液・塗布などの流動下において粒子が形成する構造の動的な挙動を理解できる。

他への応用・展開の可能性

 レオロジー解析から得られた情報を基に,粒子分散液の塗布操作や塗布膜乾燥過程の解析も研究対象としている。

関連する論文

・菰田悦之、地崎恭弘、鈴木洋、出間るり,“リチウムイオン二次電池負極用スラリー分散過程の粘弾性解析”,粉体工学会誌,第53巻6号,371-379,2016【ダウンロード】
・Y. Komoda, D. Takafuji, H. Suzuki, H. Usui, “Rheological characterization of metal particles suspension and its relationship with spray-dried granule properties”, Powder Technol., 271, 93-99, 2015【ダウンロード】
・Y. Komoda, L.G. Leal, T.M. Squires, “Local, Real-Time Measurement of Drying Films of Aqueous Polymer Solutions Using Active Microrheology”, Langmuir, 30, 5230−5237 (2014)【ダウンロード】
・Y.Komoda, R. Kimura, K. Niga and H. Suzuki, “Formation of Particle Layer Within Coated Slurry Characterized by Thickness Variation,” Drying Technology, 29, 1037-1045 (2011)【ダウンロード】
・Y.Komoda, K. Okabayashi, H. Nishimura, M. Hiromitsu, T. Oboshi and H. Usui, “Dependence of PEFC performance on preparation conditions of slurry for catalyst layers”, J. Power Sources, 193(2), 488-494 (2009)【ダウンロード】

参考図表

学内協働研究者

鈴木 洋、日出間 るり、大村 直人

研究者情報

氏名

菰田 悦之(コモダ ヨシユキ)

所属

工学研究科、応用化学専攻、粒子粒体工学研究室

専門分野

化学工学、レオロジー、粉体工学

企業との協業に何を期待するか?

 工業的な粒子分散液は大変に複雑な組成であることが想定されるが,その中から現象を支配する因子を抽出して,学術的・科学的に普遍性のある現象理解を進め,最終的には粒子分散液に関する学理追及することに賛同・協力頂きたい。従って,実際の粒子分散系の評価に留まるのではなく,普遍化に繋がる実験系の構築やそれにかかわる情報や試料の提供を期待します。

問合せ先

神戸大学 学術・産業イノベーション創造本部
oacis-sangaku[at]edu.kobe-u.ac.jp
([at]を@に変更してお送りください。)